ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)とは

ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)は更年期の症状の中でも典型的なものです。それほど体の深刻な影響を及ぼすものではないのですが、日常生活に支障をきたすことが多く、悩みの種になりがちです。

更年期に見られるホットフラッシュは顔がのぼせたり大量に汗をかく症状

更年期の症状と対策

ホットフラッシュでは顔がのぼせ、ほてる状態になるほか、大量の汗をかく、紅潮するといった症状が見られます。しかも突然発症することが多いのが厄介な点です。外出中、あるいは誰かと会っているときに急に症状が起こるとどうしても混乱状態に陥ってしまいやすく、これに懲りて外出を控えてしまう、人と会うのを避けてしまうといった生活環境にも大きな影響を及ぼしてしまうことがあります。

 

もともと更年期には無気力やうつ症状といった精神面の症状も見られますが、このホットフラッシュによって家に引きこもりがちな状態になってしまうとますます精神面に悪影響を及ぼしてしまうこともあるのです。

 

更年期の典型的な症状のホットフラッシュ、どうしてこのようなことが起こるのか?理由にはホルモンバランスの乱れがもたらす自律神経への影響が深くかかわっています。更年期になると卵巣機能の低下によってエストロゲンの分泌量が減少していきます。そうなると脳と体の間にアンバランスな状態が生じてしまうことがあるのです。脳は体の状態に併せてホルモン分泌量を調整し、つねに必要と判断した量を分泌するよう体に指示を送っています。

ホットフラッシュは自律神経が不安定にあることで血液循環も乱れることで起こってしまう

更年期の症状と対策

しかし卵巣機能が低下していると指示通りに分泌することができず、脳と体の間にギャップが生じてしまうのです。脳は「これだけホルモンを分泌したのだから体はこんな状態になっているはず」と判断しているのに対し、実際の体はそうなっていない…そんな状態が続くことでバランスが乱れ、自律神経にも影響を及ぼすようになります。

 

この自律神経は血液循環と深くかかわっており、交感神経が優位になると血管が収縮され、反対に副交感神経が優位になると拡張されます。そのため自律神経が不安定な状態になると血管が収縮して血行が悪化した状態が続いたかと思うと急に血管が拡張して血行がよくなるといった極端な状況が起こることもあります。

 

これまで滞っていた血行が急によくなることで血液が全身を急激にめぐることでのぼせやほてり、発汗といったホットフラッシュが起こる状況を後押しするわけです。

 

しかもうつ症状やイライラ、倦怠感といった精神面への症状がますます自律神経を不安定にしてしまうこともあり、ホットフラッシュの症状を悪化させてしまいます。つまり先述したホットフラッシュの精神症状への影響だけでなく、逆のパターンも起こりうるわけです。それだけにホットフラッシュに悩んでいる方は更年期がもたらす症状先般を意識したうえでできるだけ早く適切な対策を行っていく必要があるのです。

更年期に見られる精神的な症状(イライラ・うつ…)

更年期の症状が厄介なのは体だけでなく精神面にも影響が及ぶことが多い点です。イライラといったちょっとした問題だけでなく、深刻化するとうつ症状が発症することもあります。

更年期に見られる精神の不安定はエストロゲンの分泌量の変化が原因

更年期の症状と対策

この更年期に見られる精神的な症状もこの時期の体のメカニズムが深くかかわっています。卵巣機能の低下によって女性ホルモンのエストロゲンが減少していくわけですが、このホルモンには精神状態や自律神経のバランスを保つ働きも備わっているからです。月経不順の方は周期的に精神面の不調を抱えてしまうことがありますが、これもエストロゲンの分泌量の変化がおもな原因です。

 

自律神経は交感神経と副交感神経がバランスをとる形で正常な状態を維持していますが、交感神経は脳を活性化させる働きを、副交感神経はリラックスする働きを持っています。そのためエストロゲンの減少が不足して自律神経のバランスが乱れやすくなることで精神状態が不安定になるリスクが生じるのです。

 

交感神経が優位な状態が続くと脳が緊張状態に陥ってイライラ、ちょっとしたことに怒り出してしまうといった感情のコントロールが難しい状態になりますし、逆に副交感神経が優位になると無気力や集中力の低下、倦怠感といった症状が見られます。いろいろとやらなければならないのにやる気がでない、体が動かないといった状態になることでますます精神的に追い詰められてしまうのも厄介な部分です。

精神的な症状は単に更年期障害の治療だけではなく生活環境の工夫も大切

更年期の症状と対策

こうした体のメカニズムの変化がもたらす影響に加えて更年期の症状やそれがもたらす生活環境の変化が精神的な症状を悪化させてしまうこともあります。たとえば外出先や人と会っているときに急にホットフラッシュが起こってしまう状況だとどうしても外出を控えて家に閉じこもりがちになりますし、倦怠感や無気力を抱えている状態では外出もままならないもの。

 

さらにイライラや怒りっぽさが原因で周囲と軋轢を生じてしまうこともあります。こうした状況から周囲から孤立した状況に陥り、追い詰められた結果うつ状態へと悪化してしまう恐れがあるのです。

 

こうした問題を予防・改善していくためには単に更年期障害の治療・対策を行うだけでなく、周囲の理解を求め、できるだけ社会から孤立しない環境を築いていく工夫も求められます。その意味でも更年期障害はひとりで向き合うものではなく、家族や友人の協力を得ながら向き合い、適切な対策を行っていく必要があるものといえるでしょう。精神面の不調を抱えている方はまず身近な人に悩みを相談してみてはいかがでしょうか。

更年期に見られる肉体的な症状(不正生理・腰痛・皮膚の乾燥…)

更年期の症状はまず肉体的なものとしてあらわれます。ただそれが精神面にも影響を及ぼすことが多いだけに注意が必要です。

更年期の初期症状として不正生理や月経不順などが見られる

更年期の症状と対策

また、初期段階では他の不調との見極めが難しい症状も多く、早めに見極めて更年期対策をはじめられるかどうかも重要なポイントとなってきます。

 

初期の段階からよく見られる症状では不正生理・月経不順が挙げられます。卵巣の機能の低下で女性ホルモンのエストロゲンが減少するため、プロゲステロンとのバランスによって成り立っている月経周期に乱れが生じるようになるのです。月経周期がバラバラになったり、不正出血が見られるようになったら更年期を疑ってみる必要がありそうです。

 

また不正生理の症状として腰痛や肩こり、頭痛がよく起こります。腰や下腹部の場合、痛みとまではいかなくても重い感じが伴うことがあります。肩こり、頭痛はエストロゲンの減少がもたらす血行不良が直接の原因ですが、どうしても単なる疲労や筋肉の凝りと間違えてしまいがちでこの段階で更年期を察知するのが難しい面もあります。頭痛の場合も痛みではなくなんとなく重く感じるというケースが見られます

 

もう少し更年期が進行するとエストロゲンの減少による影響が全身のさまざまな場所に見られるようになります。その中には美容上のトラブルも含まれており、皮膚の乾燥やハリの低下が見られるようになります。エストロゲンはコラーゲンやセラミドといったおなじみの美容成分が体内で生成されるのを促す役割を持っているため、分泌量が減少するとこれらの美容成分も減ってしまうのです。

更年期は抜け毛や薄毛が増えたり、肥満のリスクが高まったりすることも

更年期の症状と対策

また、抜け毛・薄毛が増えるのもこの時期の特徴、出産後ほど急激に増えるわけではありませんが、抜ける量が増えてきたら要注意です。皮膚のトラブルには保湿対策、抜け毛対策には育毛剤などのケアを取り入れたいところです。

 

ほかには内臓脂肪が蓄積されやすくなることで肥満のリスクが高まります。その延長として糖尿病のリスクが増大し、更年期糖尿病という症状が発症することもあります。あとは血行不良による疲労の蓄積、冷え性、むくみ、動悸、息切れ、ホットフラッシュなども上げておくべきでしょう。

 

このように肉体的な症状は非常に幅広い範囲に及びます。どの症状が見られるのかには個人差があるため、できるだけ早く更年期を察知するためにも抱えている症状が関係あるのかどうかを見極めるための基本的な知識を踏まえておきたいところです。ほとんどの症状にエストロゲンの減少がかかわっているため、早めに補充するなどの対策を行うことで症状の増加・拡大を防ぐことができます。

更年期対策に効果的な食事とサプリ

更年期対策では体の内面から健康状態を改善していくケアも必要です。頭痛や肌荒れ、うつ症状といった症状にあわせた対策も重要ですが、そもそも更年期障害をもたらしてしまっている体のメカニズムの変化をできるだけ改善し、症状全般を緩和させる対策が求められるのです。

更年期対策での食事では大豆製品やビタミンが豊富な食材を積極的に食べること

更年期の症状と対策

そんな更年期対策に効果的な食事の筆頭によく挙げられるのが大豆製品です。大豆に含まれている大豆イソフラボンにはエストロゲンと似た働きが備わっているため、卵巣機能の低下によってもたらされるエストロゲンの分泌量の減少とその影響を軽減する効果が期待できるのです。

 

ほかにもザクロエキスやレッドクローバーにも似た働きがあるため、これらをサプリメントで摂取するという方法もあります。ただ減少しているエストロゲンを補うのが主な目的ですから、過剰摂取に陥らないように注意が必要です。短期間で効果を実感したいあまり過剰に摂取するとホルモンバランスの乱れが悪化してしまう恐れもあります。

 

それからビタミン。ビタミンには疲労回復や美肌効果のほか、血行改善やホルモンバランスの調節などの効果が備わっています。まずビタミンB群は疲労回復に効果に加えてたんぱく質やアミノ酸から皮膚が作られるのをサポートする、エネルギー生成をサポートする働きがあるため、健康な体作りとエネルギーを維持に役立ちます。更年期になるとエネルギー不足で疲労が慢性化してしまうことも多いだけにビタミンB群をうまく摂取していけるかどうかがとても重要なポイントとなってきます。

更年期には血行不良や疲労の蓄積、冷え性などの原因となる鉄分をしっかり補うこと

更年期の症状と対策

食事では豚肉やうなぎ、レバーなどに多く含まれているので肉類ばかりの食事にならないよう気をつけながら摂取していくか、サプリメントをうまく活用してみましょう。

 

ビタミンEも更年期に役立つビタミンです。老化を防ぐ抗酸化作用でよく知られていますが、ほかにもホルモンバランスの調節や血行不良といった更年期に深くかかわる効果も備えているのです。ナッツ類や植物油に多く含まれているのでなかなか毎日の食生活でコンスタントに補っていくのが難しく、サプリメントでの補充がポイントとなるでしょう。

 

あとはミネラル。とくに血行不良、疲労の蓄積、冷え性などの原因となる鉄分は更年期には必ずしっかり摂取しておきたいところです。ほうれん草や小松菜、枝豆、貝類などで摂取できます。

 

それから亜鉛も現代人の女性に不足しがちな成分でたんぱく質の合成やホルモン分泌の促進などの働きが備わっています。こちらは牡蠣やレバーといったちょっとクセの強い食材のほかチーズ、牛肉、うなぎなどに含まれています。これらもサプリメントをうまく活用しつつ毎日の生活の中でうまく摂取を心がけていきたいところです。