女性の慢性疲労の原因-更年期障害-

女性が慢性的な疲労の悩みを抱えてしまっている場合、更年期障害の可能性も疑ってみましょう。筋肉が疲労している、疲労物質が蓄積しているといった根本的な原因だけでなく、更年期がもたらす心身のメカニズムの変調が深くかかわっているかもしれないのです。

更年期になると慢性疲労だけではなく倦怠感や無気力など他の症状と併発することが多い

女性の慢性疲労の原因

更年期障害とは閉経の前後10年間に生じるさまざまなトラブルの総称です。具体的な症状には個人差があり、ほとんど症状があらわれない人もいれば心身に重い症状を抱えてつらい思いをする人もいます。しかもどんな症状が見られるかには個人差がありなかなか対策が難しい面を抱えています。そんな症状のひとつに慢性疲労があるのです。

 

しかも慢性疲労だけが症状としてあらわれることは少なく、他の症状と併発する形が多いのも特徴です。とくに多いのは倦怠感や無気力です。疲れているだけでなくやる気がでない、体が重くて動かすのが億劫、朝目が覚めた段階でもう体が重くて動かすのが大変といった状態になってしまっていることが多いのです。そのため休んでも疲労感、だるさが抜けない、気力が湧かないので疲労回復の対策をする気にもなれないといった問題を抱えてしまうことも少なくありません。

 

どうしてこのような症状が見られるのか?その主な原因はホルモンバランスの乱れによる自律神経への影響と考えられています。更年期障害の直接の原因は卵巣機能の低下によるエストロゲンの分泌の減少にあります。このエストロゲンは自律神経を整える働きがあるため、分泌が減少してしまうとバランスが乱れやすくなってしまうのです。

更年期障害による自律神経の乱れが不安定な状態をつくり疲労を蓄積させてしまう原因に

女性の慢性疲労の原因

ホットフラッシュやほてりもこの自律神経の乱れとかかわっているため、慢性疲労と併発することがあります。交感神経が優位になると脳の緊張状態が続いてしまい睡眠などの休息が十分にとりにくくなり、逆に副交感神経が優位になると全身が過度なリラックス状態になって倦怠感やだるさを感じるようになる…こうした不安定な状態が疲労を蓄積させる原因を作ってしまうのです。

 

さらに血行不良も疲労の蓄積と深くかかわっています。エストロゲンには血行を拡張させる働きもあるため、減少すると血液の流れが滞りやすくなってしまうのです。しかも交感神経は血管を収縮させる働きもあるため、優位な状態が続くと血行がますます悪化しやすい状態になってしまいます。

 

こうして見ても更年期障害は慢性疲労の原因をもたらす大きな問題といえます。40代に入って精神面を含めた疲労を感じている方は更年期の対策も検討してみるとよいでしょう。

女性の慢性疲労の原因-冷え性-

女性が慢性的な疲労を抱えてしまっている場合には冷え性が原因になっていないかどうか、自分の健康状態を見直してみましょう。現代の女性は疲労よりも先に冷え性が慢性化してしまっていることが多く、それが疲労だけでなくさまざまな健康の問題の引き金になってしまっている可能性もあるのです。

冷え性になると老廃物が体内に蓄積して全身の疲労感や倦怠感を引き起こす

女性の慢性疲労の原因

体の冷えは血行不良が深くかかわっています。血液の流れが滞りがちになることで手足など末端にまで血液がいきわたりにくくなり、酸素や栄養が血液とともに届けられなくなることで体温を維持することが難しくなってしまうのです。

 

血行不良そのものが疲労物質が抜けにくい環境を作ることで疲労の原因となってしまうわけですが、さらに余分な水分、老廃物の排出の妨げにもなってしまうことで体のめぐり全体が悪化してしまいます。本来なら排出されるこうした老廃物が体内に蓄積していくことでむくみの原因となるほか、全身の疲労感、倦怠感を引き起こしてしまうのです。

 

さらに冷え性がもたらす体温の低下は基礎代謝と免疫力の低下を引き起こします。体温が一度下がるとこれらの機能が20パーセント近く落ちてしまうとの説もあり、基礎代謝が低下すれば当然疲労が蓄積しやすくなりますし、免疫力が低下すれば風邪を引きやすく、回復が遅れるなど健康上の問題を抱えやすくなります。疲れているところに体調不良が重なってしまうことで体を満足に動かせないような状態に陥ってしまいかねません。

冷え性による慢性疲労に悩んでいるときは体を休める前に運動もやマッサージも大切

女性の慢性疲労の原因

日ごろから体が冷えていると自覚している、むくみの悩みを抱えている方は冷え性が慢性疲労の原因になってしまっている可能性が高いので冷え性対策と疲労回復の両方をうまく行っていく工夫が求められます。単に睡眠環境を改善する、心身のリラックスを心がけるといった疲労回復の方法だけでは十分な効果が得られないかもしれないのです。

 

この冷え性と疲労回復に関しては体を休める前にまず体を動かしてみましょう。運動は基礎代謝と血行を高めるもっとも理想的な選択肢です。筋肉を動かすことで血液を送り出す力を高め、末端にまで血液を届けるのに役立ちます。もともと冷え性の方は運動不足の傾向があるのでウォーキングなど体を動かす習慣を日々の生活にとりいれてみましょう。

 

それからマッサージやストレッチ。とくに入浴中やお風呂上りの血行がよくなっているタイミングで行うと効果的、筋肉をほぐし、血行を改善するケアを入念に行ってみましょう。もちろん、入浴時にはシャワーだけでなく湯船にゆっくり使って体を温めることも大事です。

女性の慢性疲労の原因-鉄欠乏性貧血-

現代の成人女性の多くが鉄分不足といわれています。もともと女性は月経の出血で鉄分が失われてしまうなど不足しやすい環境にあるうえに栄養バランスが偏りがちな食生活の影響で慢性的な鉄分不足の状態に陥ってしまうことが多いのです。この鉄分不足が貧血の原因になり、さらに慢性疲労を引き起こしてしまうことがあります。

鉄分不足になると疲労だけではなく体の機能そのものが低下することも・・

女性の慢性疲労の原因

鉄分不足は血行不良の原因となります。血液は全身をめぐりながら酸素と栄養を届ける重要な役割を担っているのですが、その際には血液内に含まれているヘモグロビンが深く関与しています。そしてわれわれが血が赤く見える源でもあるこのヘモグロビンは鉄分を原料として作られており、鉄分不足になると量が減ってしまうのです。

 

よく疲労の蓄積や睡眠不足で目の下に青黒いクマができますが、これもヘモグロビンの減少によって血液の赤さが低下することで青黒くなった血液が皮膚を透かして見えるようになったものです。

 

血液によって酸素の供給が低下することでどれだけ影響を及ぼすか、これ全身のあらゆる器官が正常に働くうえで酸素を必要としていること、全身に必要とする酸素の約4分の1を脳が占めていることからもうかがえます。

 

つまり鉄分不足によって全身に酸素がいきわたらなくなると疲労が蓄積するだけでなく、体の機能そのものが低下してしまうのです。脳の機能が低下すればホルモンバランスや自律神経にも影響が及びますし、脳がうまく働かなくなれば倦怠感や無気力といった問題が出てくる可能性もあります。

妊娠中は大量の鉄分を必要とするため極端な疲労や倦怠感が現れやすい

女性の慢性疲労の原因

なお、妊婦はとくに胎児の成長に備えて大量の鉄分を必要とするため鉄分不足に陥りやすくなります。妊娠中に極端な疲労や倦怠感に襲われる場合には鉄分不足が深くかかわっていることを疑ってみた方がよいでしょう。

 

注意したいのは血液中の鉄分不足は摂取量の不足するとすぐにあらわれるのではなく、数ヶ月ほど時間をおいてからあらわれることです。これはヘモグロビンの寿命と深くかかわっており、寿命が尽きて新たな鉄分を使って再生する段階になって不足しているとヘモグロビン不足になるため、2〜3ヶ月前に鉄分が不足していた影響が今になってあらわれる、といったケースも起こりえます。それだけに日ごろからコンスタントに鉄分を摂取し続ける必要があるわけです。

 

日ごろ鉄分を意識して摂取しているという方は少ないはず、慢性疲労に悩んでいる方は意識して食生活の中で鉄分摂取を心がけてみてはいかがでしょうか。豚のレバーや大豆、貝類、パセリなどに含まれています。好き嫌いが分かれやすい食材が多いのでメニューを工夫しながら摂取していきましょう。

女性の慢性疲労の原因-ダイエット-

女性のダイエットは失敗しやすいといわれています。一時的に体重を減らすことができてもすぐにリバウンド、さらに健康状態にさまざまな悪影響が生じてしまうケースが非常に多いからです。そんな悪影響のひとつが慢性疲労です。

ダイエットで過剰な食事制限をするとエネルギー不足で疲労を感じるようになる

女性の慢性疲労の原因

そもそもどうして女性のダイエットが失敗しやすいのか?それは食事制限に頼るケースが多いからです。とにかく食事の量を減らせば体重も脂肪も落とすことができる、と考えるのは自然ですし、この方法がもっとも短期間で効果を実感できるのも事実です。ただ効果を早く実感したいあまりに極端な食事制限に走った結果、反動が来て暴飲暴食によるリバウンド、さらに体のメカニズムの変調をもたらしてしまうわけです。

 

過剰な食事制限をするとエネルギーが不足します。とくにたんぱく質は太るイメージが強いことから真っ先に制限してしまうことが多く、エネルギーの原材料が不足することで体を動かし機能させるのに必要なエネルギーを確保できなくなってしまいます。そうなると当然すぐにエネルギー不足をきたして疲労を感じてしまうようになりますし、エネルギーの消耗を募集するためのエネルギー摂取も不足しているので思うように回復が進まなくなってしまうのです。

女性はダイエットによるホルモンバランスの乱れが原因で慢性疲労を引き起こすことも・・

女性の慢性疲労の原因

また栄養不足によって血行が悪化することで血液を通して全身に酸素と栄養がいきわたりにくくなってしまいます。鉄分不足による貧血も加わることで代謝不足と免疫力の低下が進行して疲れやすく、病気になりやすい状況になってしまうのです。

 

さらに女性の場合はホルモンバランスの乱れを引き起こす原因にもなるので要注意です。ホルモンが正常に生成・分泌されるのに欠かせないアミノ酸や亜鉛といった成分が不足するとホルモンバランスにも乱れが生じ、月経不順や不正出血、若年性更年期障害といったトラブルが起こりやすくなりますし、エストロゲンの減少による血行の悪化、自律神経の乱れといった疲労の蓄積と密接にかかわる問題も出てきます。

 

そもそもダイエットは摂取エネルギーを減らすよりも消費エネルギーを増やすほうが効果的といわれます。過度な食事制限でエネルギー不足に陥ると筋肉の量が減って基本的な消費エネルギー(基礎代謝)が低下してかえって太りやすい状態になってしまうのです。そのうえ疲労が蓄積しやすく倦怠感やむくみなどのリスクも抱える…食事制限に頼った無理なダイエットは百害あって一利なし、ダイエットはあくまで心身の健康を意識したうえで適切な方法で行っていくことが大事なのです。